明石家さんまが司会をしている番組の中で老人を集めてクイズに答えてもらうコーナーがあるのをご存じでしょうか。

　 クイズ出題者が真面目な顔で問題を読み上げると、これまたお年寄り達も、しごく真面目に答えを言うのですが、この答えが突拍子もないものだったり、他の人の勘違いの答えにつられて答えがとんでもない方へ行ってしまったりするのです。

　その様子を会場の見学者やスタジオのタレントが見て大笑いしたり、または微笑ましいとか、可愛いとかコメントをするものです。

　僕もたまに見ていて、なんだかこういうお年寄りを見ていると癒されるというか、なごむというか、結構好きな番組でした。

　ところが、先日ある友人がこの番組は残酷だと言うのです。何故かというと、本人達は一生懸命考えて答えているのに間違え るとみんなで大笑い、答えた本人は何故笑われているのか分からない。

　もし自分がこの老人達の立場になった時の事を考えた らとても笑えない、むしろ見ていて悲しくなるというのです。はっきり言ってちょっとドキッとしました。最近のテレビ番組 の作り方にはいつも違和感を感じていて、むしろ批判的に見ていたつもりが、いつの間にか制作者の思惑に流されて一面的な 見方をしていた自分がそこにいたのです。

　どちらの見方が正しいというのではありませんが、いまさらながら、物事には色々な見方があるものだと思い知らされました 。