恐怖体験

 

 それは、昼下がりの事。アタイはベッドの上でウトウト。急に便意をもよおしてトイレへ直行、した筈だった。何とアタイは頭からまっ逆さま、床へ激突したのだ。目ん玉がクルクルと回り、天井と床がグルグル回っている!!

 何なんだ、これは!! 立てない!! しかしウンチはもう半分も出かかっている。同居人の初老の女は、アタイの異変に気付いたらしい。そしてアタイをムンズとつかんで、トイレへ投げ込んだ。もう何が何だか分からない。その女はアタイの尻尾を引きちぎれんばかりにつかみ、漏れ出たウンチをティッシュでつかみ取った。

 アタイはトイレの中でも四ツ足で立つこともできず、顔面は猫砂だらけだ。周りのもの全てが360度グルグル回っている。助けて!! と声にはならぬ悲鳴をあげる。鼓動がかなり荒くなる。おまけにアワ状のよだれが次から次へと出る。

 もうダメだ。アー、アタイはトイレの中でウンチまみれで死んで行くのか、もはやこれまでのニャン生であったかと……。

 その女は、また、アタイをつかんだ。何と彼女のあわてふためき様は、ヒツゼツにつくし難い。頼りにならない。アタイは決断した。ジッとしていれば治る、自分で治すんだ。しばらくして、アタイは平常心を回復した。

しかしあのグルグルは何だったんだ。今でも首は30度傾いたままだ。

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